イクラはサケの魚卵

イクラを箸でつまんだら、怒られた。

私が優しくなかったからなのか。

それにしても凄い爆発であった。



二本の棒で、慎重に一粒を掴んだつもりだった。

それなのに、イクラは私の想像を遥かに超える潰れ方をした。


一瞬何が起こったのか解らず、３秒も脳がフリーズしてしまいました。


それもそのはず
眼鏡のレンズにイクラの体液が飛び散り、私の視界は劣っていた。


自分に何が起こったのか見えていなかったからだ。





そもそも、なぜ私がイクラという高価なものを食していたかというと、

仕事でお客様と一緒に打ち合わせをしていたからです。


打ち合わせという名のお食事です。



裕福では無い私にとって、
今日は生誕記念日のようなランチでした。



いつもの私は、米粒ひとつの触感も楽しみながら

一口３６回噛むことを目標に食事をしているのですが

この時は仕事ということもあり、ゆっくりと味わうことができませんでした。


なんとも勿体無いことです。



イクラは、そんな私に怒ったのかもしれません。